1. はじめに

1.1 Aproc-1/2のしくみと特長

Aproc-1 および Aproc-2 は、プログラム可能な、リアルタイムの信号処理装置です。
信号入力 → ユーザプログラムの処理 → 出力 という作業を、指定した周期で繰り返します。


Aproc-1を使った信号処理システム


図の中で、ユーザの作成すべきは 信号処理プログラム だけです。
準備されている関数を呼び出せば容易に記述できます。

Aproc-1/2 のプログラミングについては 第3章 に例題を、 第6章 に言語仕様を記しています。
また、サンプルプログラム のページに使用例を多数掲載していますのでご覧ください。

 

Aproc-1/2 には以下の特長があります。

特 長説 明
統合化された信号処理システム プログラム作成、シミュレーション、運転、パラメータ調整、データの表示・保存といった一連の作業を、 シームレスに行うことができます。 → S/Wの概要
広範囲な用途 フィルタ、計測システム、自動制御装置、信号記録装置、信号発生装置、物理シミュレータなど、様々な役割を演じます。
簡単プログラミング 処理の機能要素は関数として準備されていますので、 それらを呼び出すだけで多様な信号処理を実現できます。関数はユーザが作成することもできます。
高速・高精度浮動小数点DSP演算が可能なCPU (168MHz) と、 16ビット分解能のアナログ入出力を備えています。
小型軽量、省電力 USBから電力を得るので専用の電源を必要としません。出力を接続しない場合の所要電力は800mW未満です。
多様な拡張性
(Aproc-1のみ)
オプションの 拡張インターフェース を接続することにより、 入出力チャンネルの増設や、 種々のデジタル信号との接続が可能です。

 

1.2 Aproc-1Plusの仕様 (Aproc-2の仕様はデータシートをご覧ください)

項 目仕 様
アナログ
入力
チャンネル数8(16まで増設可能)
分解能16ビット
電圧範囲±10V、±5V
サンプリング方式全チャンネル同時サンプリング
入力インピーダンス1MΩ
精度±6LSB(±10V時)、±12LSB(±5V時)
直線性±2LSB
アンチエイリアスフィルタ帯域8KHz
入力絶縁なし
過電圧保護±16.5V以内
コネクタ高密度DSUB15P
アナログ
出力
チャンネル数
分解能16ビット
電圧範囲±5V(ご要望により±10Vにも対応)
精度±16LSB
非直線性±1LSB
出力絶縁なし
コネクタ高密度DSUB15S
デジタル
入出力
点数入力8、出力8
電圧レベルLVTTL(入力は5Vまで許容)
コネクタ倍密度DSUB26S
演算部演算精度単精度(32ビット)浮動小数点演算の精度
算術関数四則演算、比較、積分、微分、位相進み遅れ、、平方根、三角関数、逆三角関数、指数関数、自然対数関数、常用対数関数、ユーザ定義関数、ユーザ定義補助関数
フィルタ関数1次フィルタ、2次フィルタ、微分器、積分器、FIRフィルタ、IIRフィルタ、移動平均フィルタ、時間遅れフィルタ
波形生成正弦波、矩形波、三角波、のこぎり波、PWM波、ユーザ定義波、 白色正規雑音、一様雑音、折線関数、階段関数
入出力関数アナログ入出力、デジタル入出力、デジタルバイト入出力、拡張入出力
演算周期0.1ms〜100ms
信号数4095(外部)+ 4096(内部)
パラメータ数4096
最大プログラムサイズ8192ステップ
データ
レコーダ
最大記録速度8×100Kサンプル/秒(10μ秒周期)
トリガ入力内部トリガ
共通適合パソコンOSWindows XP、Vista、7、8、10
インターフェースUSB2.0ハイスピードモード
寸法幅150mm、奥行100mm、高さ30mm(脚やコネクタを除く)
重量200g以下
電源USBバスパワー(5V)
消費電流180mA以下(アナログ、デジタル出力に接続無き場合)
環境条件温度0〜50℃、圧力0.8〜1.0気圧、湿度10〜90%、結露なし

 

1.3 注意事項

(1)制約事項

Aproc-1/2をお使いいただくには、以下の制約事項があることに留意してください。

  1. Windows 7、Windows Vista、Windows XPのいずれかのOS下で動作します。
  2. USB2.0のハイスピードモードをサポートするパソコンが必要です。
  3. 計算機の能力が低い場合には性能が制限されることがあります。
  4. 屋内での使用を前提としています。特殊な環境では性能が満たされないことがあります。
  5. ソフトウェアやのダウンロードや取扱説明を閲覧するために、インターネットを使える環境が必要です。

(2)安全上のご注意

Aproc-1/2を正しく安全にご使用いただくため、以下の事項に留意してください

  1. 入力信号を接続する前に、その電位が許容範囲内であることを確認してください
  2. 万一異常が発生した場合には、まずUSBケーブルを抜いて電源を遮断し、次に装置に接続されている全てのコネクタを抜いてください。
  3. 分解したり改造したりしないでください
  4. 水に濡らさないでください

(3)取扱上のご注意

Aproc-1/2を正しく動作させるために以下の事項に留意してください。

  1. USBの通信を安定させるため、ハブを介さず、直接パソコンに接続してください。
  2. 動作を安定させるため、できる限り他のアプリケーションを起動せずにお使いください。
  3. パソコンのUSBから電力を得ますので、電源容量に余裕があるパソコンをお使いください。またバッテリでお使いのときは動作時間に留意してください。
  4. 結露させないでください
  5. 直射日光下の車内に放置しないでください
  6. 重いものをのせないでください
  7. コネクタの端子に触れないでください
  8. コネクタの勘合ねじを強く締めすぎないでください。
  9. 長時間使用しないときは、静電気防止処理された袋に入れて保管してください

 

1.4 保証とサービス

(1)ご相談窓口

操作方法またはプログム作成方法にご不明がありましたら、下記へお問い合わせください。

電 話 078−987−4644
FAX 078−330−3251
電子メールinfo@e-arima.com

対応に期限はありません。また、無料プログラム作成サービス もご利用いただけます。


(2)故障時の対応

納品後1年以内に生じた故障については、無償修理に応じます。
ただし、1年以内でも以下の場合は有償となります。

  1. 本機を分解した形跡が認められる場合
  2. アナログ入力に、 16.5V以上または−16.5V以下の電圧が加わったことによる故障の場合
  3. Aproc-1本体のデジタル入力に5.5V以上または-0.5V以下の電圧が加わったことによる故障の場合

 


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改訂:2018年7月16日